デジタル請求革命の核「Peppol」の最大の強み「相互運用性」(Interoperability)

電話網がルーツの4コーナーモデル

国家間に横たわる制度的な縛りや産業の枠組みを超えて我々の生活の様々な場面で活用されているIT関連サービス。IT技術の進化と共にこの世にインターネットが登場、次第にそれまでの主要通信手段であった電話やテレックスは衰退の道をたどり、eメールがこれらに取って代わった。電話網はアナログ回線からデジタル回線への転換によって今もかろうじて生き延びているが、コロナ禍に起因したリモートワークの拡大もあり、電話(会議)はZoom等のリモート会議サービスに席巻されつつある。他方テレックスはもう完全に淘汰された。

しかし、電話やテレックスがここまで発達した理由がまさに表題の「相互運用性」(インターオペラビリティ)なのだ。電話による通話には必ず発信者と受信者がいる。そしてその間に発信側の基地局(交換システム)と受信側の基地局が存在する。これで電話番号という識別ID(を押す)だけで見知らぬ第三者間同士の通話も可能となる訳だ。

このデータ交換方式こそPeppolの基盤である4コーナーモデルの原型である。Peppolでは、商取引におけ売り手をC1、売り手側の中継点(アクセスポイント)をC2、Peppolのネットワークの向こう側にいる買い手側の中継点(アクセスポイント)をC3、最後に買い手をC4と定義している。C1(売り手)はまず自分の中継点であるC2にインボイスデータを送り、C2はそのデータセットがルール(日本の場合JP PINT)に準拠しているか否か確認した上で買い手側の中継点C3に送る。C3は受領したデータを買い手であるC4に届ける。

「相互運用性」が重要なわけ

これがPeppolが定義するところの4コーナーモデルであり、2者間での限定的なデータ交換やERPサービス事業者やCRMサービス事業者が提供する外部との相互運用性のない3者間でのデータ交換サービス(Proprietary closed data service)とは決定的に異なり、送信側と受信側がどんなシステムを利用していようがPeppolの定めた仕様でデータ交換を実行する限りにおいてどんな相手ともデジタルインボイスのやり取りができる訳である。

弊社が長年の実績と経験を有する旅行会社の業務・システムを具体例として挙げてみよう。旅行会社は旅行商品を生成するためにホテルや航空座席の仕入れが必要だ。当然、部屋を提供するホテル(Aホテルとする)は自社システムに保存してあるデータから請求書を作成し旅行会社(B旅行会社とする)に送付する。この時、もしAホテルとB旅行会社が共通のERPやCRMを利用し請求データの仕様も統一されていたら単純なデータ交換だけで請求書(請求データ)のやり取りが済んでしまう。それこそあっという間に。しかし、残念なことにこのようなケースは現状まず皆無だ。だから、仕方なくAホテルはメールにPDF化した請求書を添付してB旅行会社に送付している。紙の請求書を郵送する時もある。ことを複雑にしているのは、B旅行会社はAホテルだけでなく1000箇所以上のホテルから部屋を仕入れている現実だ。

だから答えはPeppol

果たして、B旅行会社は請求書や見積書や仕入明細書のスムーズなやり取りのために1000箇所以上ある仕入れ先のシステム全てに対応しなければならないのか?馬鹿げたあり得ない話である。これをすぐに解決できるのが「相互運用性」(インターオペラビリティ)を完全に担保したPeppolである。Peppolを業務システムに実装すればこうした請求書のやり取りにまつわる数々の難題があっという間に解決する。

今後デジタル化の加速に伴い、企業にとって「相互運用性」(インターオペラビリティ)の獲得は非常に大きなメリットとなる。Oepn Peppolと日本のデジタル庁及び各国の政府が目下最重要課題として取り組んでいるのが国家や産業の枠組み・システムの差異を超えたデジタル文書交換に関する「相互運用性」の担保である。まさに時代はPeppolだ。

Peppolがリードする「インターオペラブルなデジタル社会」への第一歩はbondance endpoint-APIから!

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