「デジタル請求革命」の世界 〜革命前・革命後〜

ネット振込だけで満足してしまうことの勿体無さ

ネットバンキングを利用すれば、B to C・B to Bという取引形態にかかわらず買い手も売り手も金融機関の店舗や街のATMに出向く手間と時間が大幅に節約できる。これは自明だ。だが、B to Bにおいては多くの経営者がこの程度の省力化(つまりATMの代替としてのネットバンキングによる振込や入金確認)で満足してしまっている現状も見てとれる。もちろん社長自身や経理担当者が金融機関の店舗やATMにいちいち出向いて月次の振込や入金・記帳をしていた時代と比べれば隔世の感があることには間違いないのだが、、、。

一方、請求や支払いに係る事務処理環境もDX(デジタルトランスフォーメーション)のおかげで今や大きく変化している。特にネットバンキングとデジタルインボイスの融合がもたらす恩恵は計り知れない。全銀ネットが提供するDI-ZEDI(デジタルインボイスとネットバンキングのデータ連携)は請求〜振込〜入金確認という売り手と買い手の業務フローに劇的な進化をもたらすものだ。2018年12月に稼働開始した全銀EDIシステム ZEDI(ゼディ)は銀行等の総合振込において、振込に関するさまざまな情報(支払通知番号、請求書番号、支払企業の適格請求書発行事業者登録番号といった金融EDI情報)を受取企業に送信することを可能にした。振込情報として請求書番号等の商取引に関する情報(商流情報)を添付することで、売掛金の消込作業の効率化、経理事務負担の大幅な軽減を実現する訳である。さらに昨年の春、全銀ネットはZEDIに加えデジタルインボイス(国際標準Peppol仕様)の国内標準仕様であるJP PINTに対応した金融EDI情報標準「DI-ZEDI(ディー・アイ・ゼディ)」をリリースした。これらが「デジタル請求革命」を強力に牽引するドライバーなのである。

「デジタル請求革命」革命前の世界

理解を深めて頂くために、一旦現状に戻って現在のネットバンキング利用状況を見てみよう。例えば、小規模事業者の経営者や経理担当者による振込を想定してみる。ある商品やサービスを購入済みで、その代金を支払うためとする。その動線は大まかに以下のようになるはずだ。

<買い手の動線>

  1. 請求書の受領(紙の請求書が郵送で届く場合とメールにPDFの請求書が添付されている場合の2通りがほとんど)
  2. 請求内容の確認(金額・振込口座情報・支払い期日等)
  3. ネットバンキングによる振込(振込情報の入力)
  4. 経理処理(帳簿への記帳等、会計ソフト利用の場合はデータ入力)
  5. 取引先への振込完了の連絡(必要に応じ)

一方、商品やサービスを売った側、つまり請求書を送る側の請求から入金に至る動線は以下のようになるはずだ。こちらも小規模事業者でネットバンキングを利用しているとする。

<売り手の動線>

  1. 請求書の作成・送付(郵送またはメール+PDF)
  2. ネットバンキングによる入金確認(支払い期日を目安)
  3. 経理処理(消し込みと帳簿への記帳、会計ソフト利用の場合はデータ入力)

「デジタル請求革命」 革命後の世界

では何が衝撃なのか?劇的な省力化は、実に「デジタル請求革命」前に担当者が手作業で行っていた<買い手の動線>及び<売り手の動線>における全てのステップでもたらされる。具体的には以下の通りだ。

<買い手の動線>

  1. 請求書の受領(Peppol方式のデジタルインボイスはシステム自動取込)
  2. 請求内容の確認(請求情報は全てシステムが認識)
  3. ネットバンキングによる振込(振込情報もシステムが処理、担当者は確認と簡単なシステム操作のみ)
  4. 経理処理(会計ソフトとの自動データ連携)
  5. 取引先への振込完了の連絡(自動メール送信)

<売り手の動線>

  1. 請求書の作成・送付(Peppol方式で、かんたん作成・かんたん送信)
  2. ネットバンキングによる入金確認(全てシステムの指示による確認のみ)
  3. 経理処理(システムによる自動消込み、会計ソフトとの自動データ連携、担当者は確認と簡単なシステム操作のみ)

繰り返すが、デジタル庁が採用、昨年から国内での運用が始まっているPeppol方式に基づいて作成・送受信されたデジタルインボイスは全銀ネットの提供するDI-ZEDIでいとも簡単に金融機関のネットバンキングと連動する。文字で記すと難しく聞こえてしまうが、実際は極めて簡単な手順・操作で振込や入金処理が完了してしまうのだ。半信半疑で試しに使ってみた人は十中八九その劇的な省力化に衝撃の声を上げる。まさに「デジタル請求革命」の衝撃だ。

ともあれ、この「デジタル請求革命の衝撃」は体験してみないと分からない。要は実際にアプリを使って頂くことが一番である。

デジタル庁認定PeppolサービスプロバイダーであるTraveldataが提供する「かんたんインボイスbondance」はこの衝撃を体験するための最も手頃なツールだ。同社は全国地方銀行協会・全国信用金庫協会などの主要金融機関協会主催のセミナーに招聘され「かんたんインボイスbondance」のデモを通じネットバンキングとデジタルインボイスの融合の可能性について解り易く解説しており、セミナー参加金融機関からも高い評価を受けている。

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